【2026年現地ルポ】変貌する相鉄線「瀬谷」の今 横浜の“秘境”が国際博覧会の表玄関へ劇的進化
瀬谷 駅の改札を抜けると、かつての穏やかな郊外住宅街の空気は姿を消し、熱気に満ちた建設音と人波が出迎えてくれた。横浜市瀬谷区に位置するこの駅は、今や神奈川県内でも屈指の注目スポットへと変貌を遂げつつある。2027年3月に開幕を控える国際園芸博覧会(GREEN×EXPO 2027)の開催地・旧上瀬谷通信施設へのメインゲートとして、駅前広場やアクセス道路の突貫工事が最終コーナーを回っているからだ。
相鉄本線の各駅停車と急行が交錯するかつての長閑な駅という印象は、すでに過去のものだ。JR線および東急線との相互直通運転がすっかり定着した今、都心や新幹線乗り換え拠点である新横浜へのダイレクトアクセスが実現。住みたい街の選択肢として急速に浮上した瀬谷 駅の周辺では、地価の上昇とともに新たな商業施設やマンションの建設が目白押しとなっている。
1年後に迫る「GREEN×EXPO 2027」:アクセス拠点としての熱気

博覧会開幕まで1年を切った2026年現在、現地では連日大規模な輸送テストやインフラの最終調整が行われている。1500万人以上の来場者が見込まれる世界規模のイベントだけに、最寄り駅となる現場の緊張感と期待感は極めて高い。
駅北口からは会場へと向かう次世代型輸送システム(ART)やEVシャトルバスの発着ターミナルが整備され、大規模な運行実験が繰り返されている。朝夕の通勤ラッシュ時とは異なる国際色豊かなスタッフや関係者の姿も目立つようになり、街全体が世界的イベントを迎える高揚感に包まれている。
北口再開発と「ライブゲート瀬谷」の定着:駅前の風景はどう変わったか

再開発のシンボルである複合施設「ライブゲート瀬谷」をはじめ、駅周辺のペデストリアンデッキや商業街区は完全に定着した。かつての狭隘な駅前広場は整然とした歩行者空間へと生まれ変わり、安全で視界の開けたモダンな街並みへと刷新されている。
施設内には区民文化センター「あじさいプラザ」のほか、スーパーマーケット、クリニック、カフェなどが凝縮。日常の買い物から文化活動までを駅直結で完結できる構造が、高齢者から子育て世代まで幅広い層の生活利便性を飛躍的に高めた。
直通運転の真価:新横浜・渋谷・新宿へ一本で届く利便性

相鉄・東急直通線および相鉄・JR直通線の全面開業から時間が経過し、その交通利便性は住民の生活パターンを根本から変えた。かつては横浜駅を経由して都心へ向かうのが当たり前だったが、今や乗り換えなしで渋谷、新宿、大手町方面へアクセスが可能だ。
特に新横浜駅までわずか20分前後で到達できるメリットは大きい。出張の多いビジネスパーソンや、東海道新幹線を頻繁に利用する層にとって、この「新幹線アクセス」の向上は住居選定の決定打となっている。
旧上瀬谷通信施設跡地の未来:博覧会後を見据えた巨大テーマパーク構想
地元の関心が集まるのは博覧会そのものだけではない。博覧会終了後の広大な跡地利用として、大型テーマパークの誘致や次世代型物流・産業拠点の整備計画が着々と進んでいる点だ。
米軍から返還された約242ヘクタールという広大な敷地は、首都圏残された最大級の未開発エリア。一時的なイベント会場にとどまらず、博覧会後も持続的に人流を呼び込む観光・エンターテインメントの拠点として再生するストーリーが、現実味を帯びて描かれつつある。
地価上昇と若いファミリー層の流入:街の人口動態に変化の兆し
交通網の発達と将来性の高まりは、不動産市場にも顕著に表れている。横浜市内の他区と比較しても比較的手頃だった住宅価格は上昇傾向にあるものの、都心近郊のハイブランドエリアに比べれば依然としてコスパの高さが際立つ。
緑豊かな自然環境と先進的な交通インフラが共存する環境を求めて、近隣の都内や川崎市方面から若いファミリー層が流出・定着し始めた。駅近くの公園や保育施設では、小さな子どもを連れた若年世帯の姿が明らかに増えている。
商店街の挑戦:昭和の温もりを残す「いちょう通り」と新住民の融合
駅前の急激な近代化の一方で、昔ながらの温もりを残す商店街の取り組みも見逃せない。「いちょう通り商店街」をはじめとする地元の商店主たちは、再開発による新しい住民や博覧会訪日客を迎え入れるための新しい試みを続けている。
老舗の惣菜店や個人経営のカフェが、クラフトビールやオーガニック食材を取り入れた新メニューを開発するなど、古き良きコミュニティと新しい感性が自然な形で混ざり合い始めている。新旧の魅力が交差する独特の活気こそが、いまこの街が放つ最大の魅力かもしれない。 (出典: 瀬谷 駅(Yahoo!ニュース))